疫病の村ーコウノトリ亭アンダーグラウンド!
漫研OB組(+でろんちょ氏)の深夜ノリで始まった2.5卓。カルパニキやロク氏とソドワする時はこのメンツになりそう。今のところかっちりしたキャンペーンではないですが、継続キャラを使っていくという意味合いでのキャンペーン。
あまりよそには見せられない下ネタRPが飛び交う卓だぞ!
全員初期作成で、シナリオはざしきわらしさん作「疫病の村」。蛮族との戦闘あり、奈落の魔域探索あり、物語的よさありの初心者向け優良シナリオです!
ソードワールド2.5用シナリオ「疫病の村」|scenarch(シナーチ)
PC紹介
・ノエル
(エルフ・34歳・女性・妖精使い PL:カルパ氏)
本当はノーブルエルフ...なんだけど、魔法文明時代に謎魔法によるコールドスリープに入り、現代で目覚め、眠っている間にマナが失われただのエルフと変わらない体になってしまった子。貴族らしい尊大な態度をとる。
目覚めてから街に着くまでに限界生活をしていたらしく、ピュリフィケーションで自らの聖水を飲み水に変えて渇きをしのいでいたという誰にも言えない過去がある。
身分なし文無し状態でハーヴェスにたどり着き、「退廃より来たる鸛(こうのとり)亭」の雑用兼ウェイトレスとして働いている。下世話な話題に疎く、エクスやマスターのセクハラ発言を全く理解していない。
・エクス(ラヴ・エクスプレス)
(ルーンフォーク・?歳・男性型・魔動銃手 PL:西雀O太氏)
魔動機文明時代、幻のモーテル列車「ラブ・エクスプレス」の車掌として稼働していたルーンフォーク。どすけべである。同じくどすけべなマスターと意気投合し、「退廃より来たる鸛(こうのとり)亭」を立ち上げた。ノエルには隙あらば意味深なセリフを投げかけるがノエルには全く気付かれていない。外向きには真面目な好青年で、頼れるダメージディーラー。
・デトロチド
(人間・16?歳・男性・拳闘士 PL:でろんちょ氏)
傭兵出身で、「自分が暮らしやすい世の中にする」をモットーに冒険者稼業をしている。蛮族はもちろん、相手が人族であっても邪魔するものには容赦しないリアリスト。
アウトローっぽく見えるが、パーティ内では一番常識的。面倒見がよく、世間知らずのノエルやルチルを助ける場面が多い。相応にスケベトークは好きだが、セクハラ発言はしない紳士。
・ルチル
(ティエンス・?歳・男性・脚闘士 PL:ロク氏)
魔法文明時代は戦うことのみが自分の使命と考え戦いに明け暮れていたが、何かのきっかけで戦うことに疲れ、眠りについた。冒頭デトロチドに発掘され、ノエルからマナを注がれて目覚める。現代の事情を全く知らず、言われるがままノエルの従者となった。といっても本人は誰かに仕えることが自分らしいと思っているようで、ノエルを第一に考え行動する。
・「退廃より来たる鸛(こうのとり)亭」マスター
(人間・40歳・男性 NPC)
バーカウンターに足を乗せ、常にタバコの吸い殻の山を作っているダメ人間。演出的に顔が映らないキャライメージ。どすけべ。ただしガキくさい性格のひんぬーエルフであるノエルのことは女性と思っていない。
ハーヴェスの裏路地に居を構える小汚い冒険者ギルド支部「退廃より来たる鸛亭」は、エクスと猥談しながらノリでつけた最低な支部名である。外面がよく事務仕事に強いエクス、仕事は真面目にやるノエル、そして冒険者として意欲の高いデトロがいなければ間も無く潰れていただろう。
導入
導入は、デトロがルチルを掘り出して「こいつの身内を見つければ回収費用をふんだくれるのでは?」とルチルを鸛亭に連れてきたところから。エクスとマスターはノエルが下ネタがわからないのをいいことにいつも通り隠語で猥談世間話をしていた。
ルチルがティエンスであることに気付かないアホ一同、「金にならないなら捨てるか」と言う者もいる中、元ノーブルエルフのノエルだけがルチルの種族に気付き、マナを投げかける。
起き上がったルチル。「ここは...何処だ。なぜオレは起きているんだ」
ノエルが答える。「おまえは私が目覚めさせた。だから今から、私がおまえの主人じゃ!」
そこへタイミングよく依頼人がやってきて、依頼開始。
右も左もわからないルチルと街へ出たことのないノエルの面倒をデトロが見てやり、エクスは依頼人から詳細を聞き取ったり。薬屋のおばあちゃんは外面のよいエクスのファンであるようだ。疫病の特効薬も手に入り、首尾よく出発!
進行
ダンジョンはところどころに物語的背景を漂わせる情報が落ちていたりして、洞窟を彷徨うアンデッドのことを考えさせてくれます。探索などの判定の数もちょうどいい。ルチルが戦闘でも登攀でもファンブルやスカを連発し、寡黙なクール系キャラだったはずが「天を仰ぎ静かに泣く」→「ひとり後ろを向いて目頭をおさえる」と哀愁漂うキャラになっていってしまったのはご愛嬌。
魔域のなかのアンデッド村ではギミックをPLが拾ってくれて、ひとり佇むゴーストを成仏させることに成功しました。
アンデッド戦ではウインドボイスとスカウト判定のコンビネーションで敵を出口の前から引き離すことに成功、戦わずしてアビスコアを破壊し脱出しました。
ただ民家には行ってないのでボーナスアイテムの「月光の魔符」はゴーストが消えた場所に落ちていた、ということにしましたが、結果的にこれがエピローグへの繋ぎとして機能しました。
エピローグ
洞窟内の魔域で冒険者たちが目にしたものは、
①村内のアンデッドは洞窟内に捨てられた患者で生者のことを憎んでいる。
②佇むゴーストだけは、「自分たちが犠牲になっても村人たちが助かって欲しい」と望んでいる
③冒険者の言葉を聞いた後は月光の魔符を残して消えた
ということ。
村についた一向は特効薬を村人に配る。「ありがとうございます、これで子供や老人らにも間に合う」と感謝されるも、「もう助からない疫病患者を洞窟に閉じ込めた」という村の過去について、デトロ・エクスは「しょうがないんじゃないの」という感じであるが、ノエルは煮え切らない表情だった。あのゴーストに似た顔の村長が、ノエルに声をかける。
「おそらくは、洞窟内でアンデッドを見られたことでしょう。
あれは...過去に村で同じ疫病が流行った際に、当時の村長、私の父が、助かる見込みのないものを連れて閉じこもったのです。彼らの行動のおかげで我々は助かることができましたが、アンデッドとして動いているということは、のうのうと生き延びた私たちをやはり恨んでいたことでしょう。何も弁解はありません、私たちは自分たちが助かるために彼らを切り捨てたのです」
「少なくともお主のおやじさんは、そうは思っておらんかったぞ」
と言って月光の魔符を渡します。月光の魔符は月神シーンの力を宿したもの。シーンは静寂を司り、争いを好みません。つまりは、ゴーストが残した魔符は生き残った村人へのメッセージのようなものなのです。
数十年持ち続けた自責の念から解き放たれ、泣きながら礼を言う村長。思いがけないアドリブ処理でしたがなんかいい話に繋がった、いいセッションでした。