あとで名づけるものがたり

たかはるのTRPGセッションログ。あらすじ、シナリオ、キャラ紹介など。いっしょに遊んでくれた人が、よそのセッションはどんな感じかな?って見れるようなブログ。TRPG沼もっとひろがれ。スマホ表示は見づらいのでpc表示をおすすめします(おすしも回るし)

2019/05/26 忌子が生きていくという事(twitterオンセ卓)

初めてtwitter募集でオンセGMをやってみました。

といっても相互フォロー同士のみの募集で、PLは自分がPLのときの同卓済PL+欠員出たのでその人が急遽連れてきてくれたPLだったので変な気負いなくできました。

 

他の人はネタバレ防止のために気を遣ってくれてるみたいですが....まいーかこれオンセンSNSでもないし。さすがにプレイ前にシナリオ作者のブログをのぞきに来る人おらんやろ!というわけで、ネタバレあんまり気にせず書きます

 

キャラ紹介を兼ねてグッときたシーンも語る:(立ち絵は出典不明のため載せません)

PC① レイラ・アリアータ(PLとたけ氏)

 ナイトメアに対する立場『嫌悪』担当。

 金髪紅眼、白リボンがよく似合うツンデレ少女(人間)。幼少期蛮族に村を襲われ、初動にあたったナイトメアの冒険者(のちのシナリオボス)が自身の親を守れなかったことを恨み(それどころか、その冒険者が自分の親を殺したと勘違いしている)、ライフォス神官になってもなおナイトメアへの嫌悪感を拭えないこじらせシスター。

 はじめはナイトメアを見ただけで嫌悪感をあらわにするような扱いづらい感じの娘だったのが、飄々ナイトメアPCのウィングやNPCとの関わりの中で差別意識が洗い流されていく様子、極悪ラスボスナイトメアのノワールのことも最終的に救おうとしたRPは見ていて一番泣かされた(セッション中は泣いてないけどあとでログ見返して泣いた)。

「親や村人が殺されるさまを見ても何も感じられなかった自分はもう蛮族だ」と自己嫌悪するクラウスに対して、「蛮族だったら私を刺せ」と言ったところ。あそこでレイラの持つ差別意識と、それを持ったまま生きている自分への怒りがぶつかっていた。

クラウスがレイラを刺さなかったことで、「ナイトメアは蛮族ではない」とレイラも信じることができ、クラウスを救ったようでレイラ自身も救われた感動的なシーンだった。GMも予想しなかった流れですごい、すごかった。

 

 PCがひどい目に遭えば遭うほど愉悦をおぼえることで有名なボンドルドとたけ氏も、どうやってこの子にノワールと、そして自分のことを許させようかと必死に考えてくださったそう。PCをひどい目に遭わせたいのって、それを乗り越えた時のカタルシスがものすごいからっていうことだと思うんですが、とたけさんはいかがですか?

 

PLからのツンデレにシリアスにコメディシーンにいずれも丁寧にRPを返していたので、GMからも手加減なしで無茶振りができました(愉悦)イリーナの親友でレイラに一目惚れしちゃったヘタレメアのユアンくんとは今後どうなっていくのか、妄想が捗りますね!

 

戦闘では安定のセージプリースト。バードも取っていたみたいですが、そういえば一度も歌わなかったね

 

PC② イリーナ(PLはやみ氏)

 ナイトメアに対する立場『無知』担当。

 とってもかわいいけど野生児のエルフ。喰うか喰われるかの自然の掟の中で生きている。しかしそれはただの弱肉強食とは異なる。獣と人との別、好き嫌いと敵味方の別。無知だったからこそ中立に、曇りない目で他PCやNPCに接していた印象でした。悩んでしまうレイラ、螺旋の背中をふっと押す、一番の名脇役

「ナイトメアの親友がいて、そいつは獲物をよく取ってこれたから差別意識はとくにない」という設定を作ってきてくれたけど、実際はナイトメアの名称すら知らない子だった(それはある意味、「差別しない」というRPにおいてはかなり重要だったかもしれない)。

個別導入が最後まで決まらなくて悩んでいたけど、

 

①ナイトメアの親友がいたけど差別意識に触れたことがない→ナイトメアの親友が自分の種族で悩んでいるシーンを見せて、「あ、ナイトメア差別ってこいつも悩むようなことなんだ」と思ってもらおっと!

②他の人がだいぶ重いシチュエーションになってしまったのでほんわか感を出したかった

 

結果、『レイラに恋しちゃった悩める少年』ユアンが出来上がりました。当のレイラはナイトメア嫌いだからそれはそれで重いんですけど笑

ユアンが悩んでいてもイリーナは気にしないタイプなのでどうかな...と思ったけど、強烈な嫌悪を持つレイラと絡ませるきっかけになったのでナイトメア差別について嫌でも触れる機会は作れた。

戦闘では投げで常に攻勢の起点となってくれていたし、探索も大活躍でした!ラスボス戦ではHP2にまでなってくれたのでGMの戦闘欲も満たしてくれたいい子^^

 

PC③ 螺旋(PL山田田中氏)

ナイトメアに対する立場『保護』担当。擁護ではなくあえて『保護』

 防具習熟Sの野球のキャッチャーみたいなガチフェンサーシャドウ。初期設定は「ナイトメアは積極保護していかなくてはならない社会的弱者。悪事を働こうがそれも守られるべき!」ってかんじの、妄信的危うさを持つキャラクターだった。

 個別導入では、「盗賊ギルドに娼館で無理やり働かされているナイトメアを救うのだ!」ってかちこんだ先で、「あなたは『正義感』という靴で踏み込んできた偽善」と言われてしまいモヤる、という流れに。(ぶっちゃけここ、「土足で踏み込む」は日本でしか通じない言い方だなどうしようか!?って焦りながら娼婦RPしてた。上品エロい娼婦のしゃべりを崩してはならない!と必死でした)

 ツイッターでも書いたんだけど、それぞれRPが難しい中でも一番難しい立ち位置だと思います。レイラ以上に答えが見つかりにくい苦悩だったはず。善意の手を払われて、今度はナイトメアの少年が生まれゆえに幽閉されていたことを知って、ナイトメアによる理不尽な殺しを見せられて。行く先々で彼の思いは揺れ動き、何度も答えを見失ったのではないでしょうか。一番さいごに彼が絞り出したのは、

「ただ、嫌だっただけなのかもしれません。無条件な嫌悪とかいろいろ」

そう言ったとき、彼自身はそれが合っている答えなのかまだ自信がなさそうでした。でもね、気持ちってそのくらいシンプルでいいとGMは思います。

 

 「しかしな〜NPCのいない場でGMは返しができないな〜」と思っていた矢先、イリーナが即席で「『リーブラ』(エルフ族の言葉で、『天秤の守り手』)」というエモ概念を作ってくれて、否定され続けた螺旋くんの思いを肯定してくれたのです。こうして螺旋くんはパーティの中でも「妄信的なちょっと怖い人」から「公平を愛する優しい人」になったのです。

 

ちなみにGMの個人的な思いですが、螺旋くんは行く先々で、否定されようと相手に非があろうと「あなたに罪はない」と言葉をかけ続けていました。それってやはり、「ナイトメアたちが選択肢を奪われていることへの怒り」と、「そうするしかなかった悪のナイトメアや、罪を自覚したものへの優しさ」から来る行動だったのだと思います。

「お前は善か悪か」の二元論的思考ではない。相手の中の葛藤の天秤も見ることのできる、パーティいち優しい人。優しいからこそ悩むんです。

 

 

PC④ウィング・ナイト(PLじゃっく氏)

 ナイトメアに対する立場『当事者』担当。

 白髪ひょろ長飄々チャラ男のマギシューター。このお話のテーマ「自分の生き方は自分で決める」の表現を許された唯一のポジションであり、理不尽をものともせず(PLの誰かの言葉を借りれば「理不尽があるのはわかっているけどそれで下を向いてちゃ前に進めない」)、あくまで自然体で自分らしく振る舞うその様は夜光鳥(造語)と呼ぶにふさわしい。立ち絵を見た時点からL'Arc〜en〜Cielの世界観に通ずるところがあると思っていたけどその立ち振る舞いはやはりL'Arc〜en〜Ciel的な、見ているこちらが気恥ずかしくなってしまうようなかっこよさがある。

しかし開幕「熱くな〜った〜、銀のめーたりっくhear〜t♪」なんて流すとギャグになってしまうので、ギリギリでこらえてオサレなジャズ風味のBGMをかけました。

個別導入はPCの中では一番おしゃれだ。はじめは一般的(?)なナイトメアと同じく迫害されて保護された孤児だったが、「好きになった男子を青田買いして自分好みに育て上げたい貴族令嬢」の目に止まり、めちゃめちゃかっこいい男になった。

そのRPは、柔和なのに芯の通ったかっこよさというのだろうか、飄々軽妙に見えてスッとカッコよくなる。いわゆるギャップ萌え?そんな陳腐な言葉で片付けたくないんですが...

差別問題に限らずかもしれないけど、周りが熱くなってあーだこーだ紛糾してる中で当事者たちは楽しそうにイキイキとやってるとこ見るとなんか安心するっていうか。いや、その安心感って多分偽物なんだけど

 

ナイトメアである彼がナイトメア嫌いのレイラに、それとは関係ない動機で迫っていき、ナイトメア擁護の螺旋くんにはむず痒さや信頼あるいは不信などを持つこともなく。ナイトメアのことなんかより明日のご飯のほうが重要なイリーナとは割といいコンビだったりして。そう、当事者はそんなこと気にしない。ナイトメアだからって贔屓もも迫害もないことが正常なんですよね。その真理を体現するキャラクター。(とはいっても、それができたのは貴族令嬢Xに騎士道精神を叩き込まれたからであって。やっぱり積極的に救われる必要はありそうだなぁと思う)

 

「あはは。ナイトメアは強くてかっこいいんだよ」

そう、その通りだ!パーティいちかっこいい奴。

 

ちなみにGMは彼のファーストネームはナイトだと思っていたんだけどウィングなのか。ウィングは旅立ちの時に贈られた称号みたいなもんだと思っていたし、「ナイトメア」「騎士」「夜」のトリプルミーニングでめちゃかっこいい名前だと思ったので積極的に呼びたくなってしまってた

貴族令嬢Xどんな顔してんだろ...20代後半の頃に拾って今30半ばってところだろうか、そろそろしわが増えて若さの魔法が解けていく頃だろうけど...ナイトくんはそんなこと気にしないんだろうなぁ。令嬢Xの死に際まで「あなたは最期の一瞬まで美しくなり続ける」とか言ってくれそう。ほれる

それなのに中の人は...ゲンメツぅ〜〜!

 

スペシャルサンクス

 今回はザルツ地方ルキスラ帝国、以前同卓したアルマ・カインド(PL冬雨氏)のホームタウン。彼はうっかりアルフレイムに来てしまい、ザルツに帰るために&離れ離れになってしまった相棒エドワードを探すために冒険者になったキャラクターだったので、「ザルツに帰り相棒にも会えた、その後のアルマさん」という体で、PCと同じレベルまで成長をしたフェローを冬雨氏に作ってもらい参戦しました。

 囚われの子供達を助けてラスボスへ向かうPC、という構図にしたかったけどエグすぎるシーンにおいてエキストラは不要。体よく子供たちを連れ帰ってくれるNPCが必要だったのでせっかくなら、とお願いしました。急なお願いにもかかわらず快諾してくださりありがとうございました!

引率者の役割以上に、戦闘のサポーターとしての仕事を大いにしてくれました。ダイス振りをお願いした見学者氏の出目が良すぎたんだ...

 

 そうです、今回は見学者さん(私のリアル知り合い。TRPGは私と2、3回したことがある程度)がいて、フェローとクラウスくんの操作をお願いしたんですが、出目がすごい。

特にクラウスの操作においては、ストーリーの立ち位置的にもクラウスが決めてくれると最っ高に気持ちいいんだけど、それをGMがやるのもねぇ?と思っていた矢先に来てくれたのでお願いするとなんと、本当に決めてくれた。抵抗抜き2回転22点ダメージはまさに主人公の一撃だった。「剣の加護など無くとも、運命は自分で切り拓く!」ってかんじでクソエモヤッバだった!攻撃の前に挟んでくれたクラウスのセリフもすごくよかったよ〜

 

NPC紹介:

f:id:takahaltrpg:20190529032949p:plain illust:たかはる

ノワール:ラスボス。迫害されて育ち、村人らが逃げおおせるための囮として蛮族の前に放り出されたのち冒険者に助けられ、それでもまだ人族を信じたかったために冒険者になった。そうしてやっと手に入れた家族は、ナイトメア差別主義の者たちに殺されてしまった。彼の中で何かが砕けて、社会への復讐者へと身をやつしてしまった。

...なんだけど、その決意のために襲った村でクラウスを見つけると息子と重ねちゃって連れて行こうとしたり、子どもたちは結局殺すことができず、「遅かれ早かれ冒険者来るだろうし、来なかったなら襲撃手伝わせた蛮族あとで殺してから解放しよっと」って考えてた中途半端マン。まぁ、だからこそ最後の最後でPCが目を醒まさせることができたのでしょう。しかし悪は悪らしくしぬべき。かっこいいってみんな言うけど、私個人的には残念なやつだと思います(物語の立ち位置的にバチクソエモボスなのは間違いない)。



f:id:takahaltrpg:20190529033042p:plain illust:picrew「泥ん子」by泥氏にて作成

クラウス:ナイトメアイケメンショタ。優しいぼっちゃまでありお兄ちゃん。生まれてからずっと隠し子として地下室に幽閉されていた。魔術の才能と思慮深さはピカイチで、ノワールに「お前は才能がある、蛮族社会でもやっていける」と言わしめるほど。しかしその心は年齢相応に脆く、「親や村人が目の前でむごたらしく殺されていても何も感じなかったのは、ナイトメアである自分は蛮族だからだ」と感じ自己嫌悪からノワールについて行こうとしてしまう。「何も感じなかった」のなかにジーナやアナが含まれていないのは、その大きすぎるショックのために無意識に考えないようにしていたから。

何も感じなかったというのも実際はあまりの恐怖やショッキングすぎる出来事のために感情の処理が追いついていなかっただけで、いっぽう頭の良さは大人顔負けのために悪い意味で理性的に捉えてしまっているという、本当はすごく優しい子なんです。

だからセッションではジーナやアナ、そしてお前は蛮族じゃない的なことを言ってあげれば説得できるよ

ちなみに「人が死んでるのになんとも感じないのは自分が薄情だからだ」という気持ちは、GMのおばあちゃんが亡くなった時にお葬式で泣けなかった経験からきています。でもそういうのって後から来るんですよね

 

 

f:id:takahaltrpg:20190529033150p:plain  illust:picrew「レトロ風メイドメーカー」byプラチナ氏にて作成

ジーナ:ジェラルディン家(クラウスくん家)に仕えるルーンフォークのメイド。ナイトメアのクラウスくんの育児を放棄した毒親ジェラルディン夫妻に代わってクラウスくんのお世話の一切をしていた。クラウスくんが優しいのはジーナさんが優しい人だからに違いない。ルーンフォークしかもメイドという立場である以上両親の方針には逆らえぬまま、12年間彼女も悩みながらクラウスくんに接してきたんだと思います。怒りのままに侵入してきたノワールの前に立ちはだかり、斬られて致命傷を負うも、「自分が伝えなければクラウスは誰にも知られないまま蛮族の国へ連れられてしまう」という一心でPCが来るまで3時間以上生命抵抗判定に耐え続けた...ってすごすぎない?愛の力か。

ハッピーエンドでPCが蘇生してあげれば、晴れてクラウスくんと一緒に外の世界へ。おそらくは、PCらの所属する冒険者の店で受付嬢をすることになる。クラウスくんは魔術の勉強に冒険者見習いにで忙しいからね!

 

 

f:id:takahaltrpg:20190529033255p:plain illust:「宝玉転生ジュエルセイバー」オープンコンテンツ

ユアン:イリーナの導入のために登場させたナイトメアの少年。イリーナの親友で旅人だが、立ち寄った都でレイラを見てひとめぼれ、恋の虜となってしまう。イリーナと一緒にいた頃は差別など感じさせなかった(イリーナが感じてなかっただけかもしれないが)彼も、じつはけっこうナイトメアであることを気にしている。「あんまりいい仕事につけなかったり、『ナイトメアは少なくて体の構造がよく知られてないから』とか言われて医療費がクソ上がる」みたいな噂を聞いていて、こんな自分はレイラと釣り合うのかと悩んでいるところからロールプレイをしてもらった。ちなみに恥ずかしくなったり慌てたりするとつい異貌化しちゃうお茶目さんなのでどんどんレイラに避けられちゃうかなCボーイである。最後は、ノワール自死でしみじみ...だった卓の雰囲気を吹き飛ばす風になってくれた。

他の人が回すときはユアンくん別に出さなくていいぞ!

 



 

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